整形外科の診察では、骨折、脱臼等の骨の状態を調べるにはレントゲンが一般的に使われます。しかしそれだけではわからない外傷もあります。また、レントゲンでわかるのは骨だけですので、それ以外の筋肉、靭帯、神経はわかりません。超音波検査器(エコー)は筋・腱・靱帯・神経・血管等の軟部組織の画像描出に優れ、CTやMRIのように静止時だけでなく、リアルタイムに筋・腱・靱帯の断裂、損傷や血流の動的評価を行うことができます。
痛いところが見えますので、エコーを併用することで、痛いところに正確に注射を行うことが可能です。注射の針先や神経・血管も確認できますので、これらの大事な組織を傷つけることなく安全に注射ができます。エコーにより診断、評価の可能な疾患は主に下記となります。
- 大腿部や下腿部の肉ばなれ
- サッカーやバスケットボールなどによる膝や足首の靱帯損傷
- ベーカー嚢腫、ガングリオンなどの軟部腫瘤
- アキレス腱炎、足底筋膜炎
- 肩腱板損傷、肩関節周囲炎などの五十肩、石灰沈着性腱板炎、野球肩
- 野球肘、テニス肘、ゴルフ肘
- 手関節部腱鞘炎、ドケルバン病、ばね指
- 手根管症候群、肘部管症候群
- 関節リウマチの滑膜炎 など